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2006年12月

2006年12月26日 (火)

バーティミアス サマルカンドの秘宝

著  者:ジョナサン・ストラウド 訳:金原瑞人、松山美保
出版社:理論社
出版日:2003年12月第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 舞台はロンドン。時代は現代。しかし、政府の要人は首相を含めて全て魔術師によって占められている。魔術師こそ、力と知性を兼ね備える優秀な人種だと、少なくとも魔術師たちは思っている。
 しかし、魔術師たちが使う魔法の数々は、彼ら自身が起こしているのではなく、彼らが召喚した悪魔(その力によって、インプからマリッドまで何段階かに分けて呼ばれる)に命じてやらせている。一般人には悪魔が見えないので、魔術師自身がやっているように見える、という世界のお話。

 主人公は、魔術師修行中の少年ナサニエルと、少年が召喚したジン(悪魔の呼び名の1つで中クラスの力を持つ)のバーティミアス。章によって、バーティミアスの一人称で語られる。
 物語は、ナサニエルの子どもっぽい復讐心から、バーティミアスに命じてある秘宝を盗み出したことから、大きな陰謀に巻き込まれて展開する。前半にやや冗長だったり、時間が遡ったりしてやや読みづらいところもあるが、事態がはっきりしてからは勢いが増して、一気に読ませる。面白い。

 主人公の少年の境遇には同情するが、軽率さや傲慢さが気になる。すくなくとも感情移入するのは難しい。それが気になりすぎると楽しめないかも。

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2006年12月21日 (木)

崖の国物語7 自由の森の戦い

著  者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2006年5月第1刷
評  価:☆☆☆☆☆(説明)

 訳者あとがきにもあるが、シリーズ中1番の出来だ。後半部分の自由の森の攻防戦は圧巻だった。敢えて触れられていなかった主人公ルークの素性も明らかになる。もちろん、ある程度は展開が予想できる部分もあった。「これは後のための伏線だろうな」と感じるところが何箇所かあり、実際そのようになった。しかし、それも謎解きの楽しみであって、ストーリーの起伏を邪魔したり、退屈になったりするものではなかった。

 今までの巻で、気になっていたことが1つあった。それは、結構人が死ぬことだ。戦争のシーンではたくさんの人が死ぬのだが、それとは別に、主人公の周辺の人がよく死んでしまう。それも、その死に何か意味とか、ストーリー上の必然性とか、そういうものがないままに。
 今回も、人が死ななかったのではない。しかし、その死には大きな意味があった。不謹慎な言い方で恐縮だが、その死によって物語りは大いに盛り上がった。

 この巻で、ルーク・バークウォーターの話は落着のようだ。父子の確執などの様々な伏線もきれいに整理された。あいまいなのは、以前の主人公トウィッグの出自のあたりだ。次巻からはそれが語られるようだ。

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