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2006年6月14日 (水)

反社会学の不埒な研究報告

著  者:パオロ・マッツァリーノ
出版社:二見書房
出版日:2005年11月25日初版
評  価:☆☆☆(説明)

 同じ著者による「反社会学講座」の続編。どうして出版社が変わったのだろう?
 今回は、前著のような「社会学のいい加減さを斬る」というような趣は影を潜め、世の中の気になったことを1つづつ取り上げて料理してみようといった感じ。
 ネタは広範囲に及ぶし、「おもしろければなんでもアリ」と、著者も言っている通り、面白みというか雑学的な楽しみはあるしで、前著より楽しめる。
 しかし、どこかで披露して「へぇ~」と言われる以上には得るものはあまりない。

 冒頭の「統計奇譚」では、社会問題として語られる論説の多くは、個人的かつ感情的な意見で、それを客観的かつ科学的な学説に格上げするために、世論調査や意識調査をする、と言っている。
 そして、その調査の例で、3,4日前の選挙選挙に「投票した」と答えた、250人中41人が実際には投票していなかった、というものを紹介していた。どうしてウソをつくのか?と思うが、15%もの人がウソの答えをするかもしれないのでは、調査もそれから導かれる結果も信用ならない。確かなものなどないのだ。

 「武士道」に関するくだりでは、著者の新渡戸稲造は、外国向けに紹介するために書いたもので、武士道を日本に再興しようなんて意図はなかったのだとか。本人は、武士道やそれを振りかざすうすっぺらな言説に対する鋭い批判的な主張も多くしていて、今の愛国心を巡る現状も、もし生きていればきっと苦々しく思っているだろうと、著者は言う。
 「武士道とは死ぬことと見つけたり」と言う「葉隠」にしても、そう言う傍らに「無理してイヤなことはせず、好きなことをやって暮せ」とも書いているんだって。

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