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2006年1月

2006年1月31日 (火)

崖の国物語1 深森をこえて

著  者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2001年7月第1刷
評  価:☆☆☆(説明)

 Amazonの推薦コーナーで上位にあった英国ファンタジー3部作の1冊目。
 舞台は、「崖の国」と呼ばれる巨大な崖。そこには森や沼地、街、そしてガリバーの冒険の空中都市ラピュタを思わせるような空に浮かぶ都市などがある。
 主人公は、トウィッグという名の12才の少年。ウッドトロル族という、大きな四角い顔やがっちりした体形が特徴の両親に育てられたが、トウィッグ自身にはその特徴はない。ほっそりした人間の体つきをしている。だから、出生の秘密があることはすぐに分かる。

 3部作の1冊目ということで、本書の舞台は「深森」という広大な森の中だけ。他の街や空中都市などはまだ出てこない。トウィッグが家を出てこの深森を抜けるところまでの話、つまりほんの序の口といったところ。
 深森の中には数多くの種族、生き物がいて、トウィッグが順にそれたちに遭遇する。その度に生命の危険に陥るのだが、ギリギリのところで助かる。それを何度も何度も繰り返す。まるでテレビ番組のようだ。ワンパターンで少しゲンナリする。出てくるのが揃いも揃って気味の悪い連中ばかりだし。

 それでも今後に期待したい。これが3部作の1冊目であり、やっと主人公の素性が分かったばかりで、これから冒険が始まる予感もある。そう、舞台はまだまだ広いのだし。
 ところで、ウッドトロル族は「決して道をはずれない」種族なのに、トウィッグは道をはずれて進んだために危険な冒険に出ることになった。このことには、まだ深い意味があるのだろうか?

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2006年1月24日 (火)

議論のウソ

著  者:小笠原喜康
出版社:講談社
出版日:2005年9月20日第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 マスコミやインターネットを通じて大量に流される様々な言説、それらの真偽を考える、というのが本書の主旨。具体的には統計のウソ、権威のウソ、ムード先行のウソ、といったものを取り上げている。とは言え、ウソを見破ってみせるとか、あるいはその方法を示す、というわけでもないらしい。
 もっともらしいことでも、「立ち止まって疑ってみよう」と言うことを、もっと言えば、ウソとホントの境界は非常にあいまいだから、必ず正しい答がある、とする「正答主義」を止めよう、という結びになっている。

 あとがきに自ら告白しているように、まわりくどい議論に付き合わされた、という感じを強く持った。大学の先生という教育者だから仕方ないかもしれないが、「ムード先行のウソ」の事例として取り上げた「ゆとり教育批判」については、事例という捉え方を越えてしまって、著者の主観が入りすぎて本書が何の本なのか分からなくなりそうだった。
 しかし、「権威のウソ」でのゲーム脳に関する指摘は適切で説得力があった。ウラを返せば、「ゲーム脳の恐怖」がいかに欠陥を持った論理展開をしていたか、ということだ。更に興味深いのは、著者が、「ゲーム脳の恐怖」の著者である森昭雄氏と同じ、日大の文理学部の教授であるということ。往々にして、大学の先生は自分の意見に抵触しない限り、他の先生の研究を批判したりはしないものだと思う。その点「ゲーム脳」は、遠慮なく批判できる「トンデモ理論」だと、受け止められているとしか思えない。

 まえがきに面白いことが書いてあった。「ウソが見分けにくいのは、それが私たちが望むような形で流されることが多いからだ」ということだ。塩野七生氏の著作に良くでてくるカエサルの言葉だが、「人間は、自分が見たいと思う現実しか見ない」。そのようなことに陥らないよう、肝に銘じたい。

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2006年1月19日 (木)

本の評価について

各々の記事の冒頭にある本の評価について説明しておきます。

評価の☆の数はおおむねこんな感じで付けています。

☆☆☆☆☆:とても楽しめた(役に立った)。大いにおススメ。
☆☆☆☆  :楽しめた(役に立った)。おススメ。
☆☆☆    :自分としては、まぁ楽しめた(役に立った)。興味のある人はどうぞ。
☆☆      :ちょっと期待はずれだった。おススメはできない。
☆        :これはダメだと思う。

 正直に言って、読んだ本の評価を5段階で付けるのは難しいです。でも、いろいろな方のブログや書評を見て、定量的な評価がついていると、その本を読むかどうかの判断の助けになったので、私も敢えて評価を付けてみました。
 基本的には、私が読みたいと思った本を読んでいるので、☆3つ(自分としては、まぁ楽しめた)以上に偏っています。だからこそ逆に、☆4つ以上は慎重に吟味しました。

 シリーズ物の場合、第1巻より第2巻、3巻の方が面白い、ということがあり得ます。その場合は、そのままそれぞれの巻の評価を付けています。しかし、シリーズ物の場合は、前後のつながりも重要です。後の巻に高い評価が付いている場合は、その巻だけを読むのではなく、(少しがまんして?)第1巻から順に読むことをおススメします。

 先ほど「基本的に、私が読みたいと思った本を...」と書きましたが、ノンフィクションや実用書などの場合、時によっては、私自身の考えと相容れない主張をされている本を敢えて読むこともあります。
 ある人やその主張に耳を傾けるには、それが書かれている書籍を読むのが、テレビのインタビューや雑誌の記事の何倍も正確だと思うからです。そうした場合は、本の評価がどうしても低くなってしまいます。自分の考えと違うものを他人にはおススメできないですから。

 最後に、私の評価がどなたかの参考になれば、これに勝る喜びはありません。誠実さを持っていらっしゃる限り賛否は問いません。ご意見・ご感想のコメントやトラックバックを歓迎します。

 
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