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2005年6月15日 (水)

トニーノの歌う魔法 大魔法使いクレストマンシー

著  者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (訳:野口絵美)
出版社:徳間書店
出版日:2002年3月31日初版
評  価:☆☆☆☆(説明)

 クレストマンシーシリーズの第2作目。シリーズの中を時系列で並べれば、「クリストファー魔法の旅」から25年、「魔女と暮らせば」の半年後、になる。
 舞台はイタリア、カプローナという、フィレンツェ、ピサなどに囲まれた小国。モンターネ家とペトロッキ家という2つの呪文作りの名家があり、互いに反目しあっている。その反目がカプローナ全体の徳の力をの低下を招き、呪文の効力がなくなっている。どうらや悪の第魔法使いの仕業らしい、というストーリー。
 今回は、クレストマンシーは重要な役柄ではあるけれども、出番は少ない。メインは反目しあう両家の若い世代が、頭の固い大人たちより先に協力して、難題と危機を乗り越えていく様子だ。イタリアだし、反目しあう2つの名家だし、ロミオとジュリエットみたい。

 クレストマンシーのいる世界は「魔法が私たちにとっての音楽と同じぐらいありふれている」と、シリーズの本の冒頭に書いてあるが、カプローナでの呪文とは、まさに音楽。歌うことで木が芽吹き、花が咲き、もっと不思議なことも起こる。歌詞にも曲にも強い力が宿っている。とっても面白い着想だと思う。
 世界中、「歌」が存在しない地域や文化はないのじゃないか、と思う。歌には本当に何らかの力が秘められているのかも。

 シリーズの子どもの主人公たちは、皆、魔法についての劣等感を持っている。キャットもクリストファーも、そしてこの本のトニーノも。自分は魔法は得意ではないと思っている。しかし、実は特別な能力を持っている。そういったところが読者を勇気付ける。シリーズ長編4作の中でも、「クリストファー魔法の旅」と並んで秀作だと思う。 

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