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2005年6月 4日 (土)

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

著  者:マーク・ブキャナン (訳:阪本芳久)
出版社:草思社
出版日:2005年3月3日発行
評  価:☆☆☆(説明)

 世界のさまざまな複雑な事象を、ネットワークの観点から論じる「ネットワーク科学」の解説書。ネットワーク科学は、物理学、生物学、経済学などの多くの学問に通じる。例えば、物理学では従来は、物質の成り立ちを極限まで小さな構成要素に分解し、個々の要素の性質と働きを調べることで、全体を理解しうるとする「還元主義」の立場であった。こういったアプローチの仕方が科学的であるとされ、生物学でも経済学でも、こういった方法が試みられてきた。しかし、この方法では、生物の複雑な働きや社会現象などを説明し切れない。要素とその間の相互作用を理解して初めて説明することができる、というのが、ネットワーク科学である。

 本書では、さらに「スモールワールド理論」を中心に取り上げ、その例として人と人とのつながり、脳のニューロン、インターネット、生態系、河川のパターン、感染症の流行など多くのものを挙げている。スモールワールドとは、あるパターンのネットワークによって、多くの要素がつながることで、どの2つの要素も非常に少ない隔たりでつながるというもの。
 人と人とのつがなりで言えば、地球上の60億の人口は、どの2人の間も6次の隔たりしかないという。ここでは、弱いつながりが重要になる。ただの知り合い、という弱いつながりがあるから、60億もの人が6次の隔たりでつながるのだ。
 感染症も流行も、弱いつながりを経ることで、広範に広まる。そしてこのスモールワールドは全くの自然に発生する。多くのリンクがあるところに更に多くのリンクが集まるという形で形成されていく。

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