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2005年5月

2005年5月21日 (土)

カンガルー日和

著  者:村上春樹
出版社:講談社
出版日:1986年10月15日発行 2001年7月31日第40刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 20年近く前に出た村上春樹の短篇集。「象の消滅」に収められていた短篇のうち、「4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて」が収められている。他の短篇が収められた本は家にあったのに、これがなかったので、買ってきた。

 なんとも言えない村上作品の空気はあるものの、濃密な感じではなく、むしろさらっと読めるショートショートのような短篇が並ぶ。最後の「図書館奇譚」を除いては。
 これらの短篇は、トレフルという雑誌に連載していたものらしい。1981年4月から83年3月までとある。ちょっと調べてみた。「図書館奇譚」は、1982年6月号から、羊男が出てくる第2回目は7月号。「羊をめぐる冒険」は、群像の同じ年の8月号、つまり、「図書館奇譚」の方が早い。
 どういう雑誌なのかよく分からなかったのだけれど、読者はどう思っただろう。まぁ、そんなこともあるよね、という軽い感じの読み物がそれまでは続いていたのに、いきなり羊男、それも頭を割って脳みそを吸う、というのだから尋常じゃない。驚いただろう。

 ところで、村上作品には図書館が良く出てくる。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「海辺のカフカ」。図書館、古い書物が集積している場所に対する微妙なセンスがここに現れているように思う。

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2005年5月11日 (水)

クリストファー魔法の旅 大魔法使いクレストマンシー

著  者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (訳:田中薫子)
出版社:徳間書店
出版日:2001年10月31日初版 2001年12月20日第2刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズのクレストマンシーシリーズの4作目。時系列で言えば、1番最初の物語になる。シリーズの他の物語ではクレストマンシーである、クリストファー・チャントの少年時代の話。その時のクレストマンシーは、ゲイブリエル・ド・ウィット。その前は、ベンジャミン・オールワージーと言うらしい。

 シリーズ4作品中3作品を読んだが、これが一番面白い。ストーリーにムリや退屈なところがなく、ドラマティックでさえある。数多くの並列世界の成り立ちや、その間を行き来することなどが、とても分かりやすく描かれている。
 他の作品で、クリストファーが銀に弱いことや、時々うわの空の表情になることなどの理由が明らかにされている。正直言って、うわの空になることには、もっと深い理由を想像していた。「退屈しているのがばれないように」というのがその理由なのだが、これでは納得いかない。退屈しているのはバレバレだし、確か他の本では、大事な話の最中にもうわの空になっていたように思うのだけれど。
 成長物語や、人間ドラマ、裏切り、アクション、謎解き、と色々な要素があり、シリーズ4作目で完成されたと言うところか。
 そう言えば、肉親に利用されるところなど、この次のクレストマンシーになるエリックの境遇とよく似ている。自分の能力に気が付かないところもだ。いや、人間の才能とはそういったものなのかも。

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2005年5月 8日 (日)

「象の消滅」短篇選集

著  者:村上春樹
出版社:新潮社
出版日:2005年3月30日発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 1980年~91年に書かれた短編を1993年に米国クノップ社が短篇集として出版した。本書はその本のセレクション、順番で収録してある。10年以上前に米国で出版された20年前の作品を、どうして日本で出し直す必要があるのかは疑問。「面白そうな企画だな」という以上には深い意味もないのかもしれない。
 という、皮肉な考えとは裏腹にけっこう楽しめた。本棚を改めて探ると、収録作品の大部分は見つかった。つまり、以前に読んでいたはずなのに、とても面白く読んだ。まぁ、読んだのは10年以上も前だから、単に忘れていただけなのだけれど、作品が魅力的であった証拠とも言えるのではないか。

 こうやって、17編もの短篇を通読してみると、いくつかの傾向というか、分類が見えてくる。現在の村上作品の特徴とも言える、仮想と現実がない交ぜになった世界観のもの(緑色の獣、踊る小人、そして表題の象の消滅、など)、あり得ないとは言えないけれど非日常的な物語(パン屋再襲撃、納屋を焼く、など)、若者を青臭いぐらいに素直に描くもの(4月のある朝に・・・・・・、午後の芝生、など)、人間心理を鋭く突くもの(沈黙、など)...。
 ここまで書いて、ある考えに行き当たった。これは、日本の読者に向けた村上作品のトレーニング用なのではないか。最近の村上作品は、独特の世界観が強すぎて、ついていけない人もいる。しかし、短篇で青春ものなら入って行きやすいだろう。この短篇集の、この作品はよくわからないけど、これは良かった、という読み方もできる。
 米国で出版する際には、多分に村上春樹を紹介する目的をこの短篇集に持たせていたに違いない。それをそれを逆輸入で日本向けにやったので。それが、10年以上前に米国で出版された本を日本で出し直す理由なのかもしれない。

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2005年5月 3日 (火)

ダレン・シャン 7.黄昏のハンター 8.真夜中の同志 9.夜明けの覇者

著  者:ダレン・シャン (訳:橋本 恵)
出版社:小学館
出版日:7.2003年3月10日発行 2004年12月1日第6刷/8.2003年7月10日発行 2004年3月10日第4刷/9.2003年11月20日発行 2005年2月20日第4刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 7,8,9巻で、バンパイア対バンパニーズ、特にバンパニーズ大王を狙う大王ハンターの戦いを描く。大王ハンターとは、ダレン、クレプスリーと新登場の元帥バンチャ・マーチの3人。なぜ、この3人なのかというと、ミスター・タイニーが指名したから。この世の始めから存在し、運命を握っていると言われるタイニーだ。
 ダレン・シャンシリーズでは、実に多くの登場人物が入れ替わり立ち代り登場するが、この3巻でも、バンチャ・マーチの他、魔法使いエバンナやバージェス警部など、キャラクターの立った人物が登場する。とても個性的だ。
 さらに、最初の3巻で登場した、スティーブ、RV、デビーの3人が再登場する。敵になったり味方になったりで、オールスターキャスト登場で大団円かと思わせる展開だ。

 ミスター・タイニーが全てを決めて、その設定の中でストーリーが展開するというのは、少し強引ではあるが、非常にスリリングで、今までの中では一番面白い3巻だった。(最後のドンデン返しはムリやりな感じだけれど)
 登場人物の相関や秘密が徐々に明らかにされ、それが今後にどう関係するのか。興味は尽きない。タイニーの予言によれば、前面戦争に突入することになりそうだが、どうなるのか?

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