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2005年1月 9日 (日)

ゲーム脳の恐怖

著  者:森昭雄
出版社:日本放送出版協会
出版日:2002年7月10日発行
評  価:☆(説明)

 テレビゲームを継続的にやると脳の前頭前野の機能が衰える。前頭前野は、判断力など人間らしさを司る場所。すなわち、「テレビゲームをやると人間らしさを失う」と、本書は訴えている。
 事前に本書に対する反対意見を目にしていなければ、この主張をうのみにして、ゲームを敵視していたことと思う。しかし、冷静に見ると、おかしな点がいくつもあることが分かる。(トンデモ本に認定されるのも分かる)

本書の主張が拠って立つのは、ゲーム中の前頭前野から発する脳波のβ波だ。
1.テレビゲームをやっている最中には、α波が増えβ波が減る。
 (脳科学の専門家からすれば、まずこの主張や計測方法にも異論があるそうだ)
2.これは痴呆患者の脳波と似ている。
3.よって、ゲームをやる人の脳は痴呆患者の脳のような状態になる。
という論理展開。(ちなみに、普通の人の安静時の脳波も同じようなパターンだ)

 このことの証明のために、「ゲームをよくやり」「物忘れがひどい」「態度の悪い」学生を1人連れてきて、ゲームをやらせて脳波を測っている。しかし、これでは証明にならないだろう。前頭前野の働きが著者の言うとおりであれば、この問題を抱えた学生の脳波に予想通りのパターンがあったとしても不思議はない代わりに、何も証明していない。ゲームと脳波との因果関係さえ分からない、ましてや、脳波と問題性向との関係は著者の独断でしかない。
 「不安」も人の行動の強い動機に成り得る。多くの人、特に子を持つ親を不安に陥れる本書が思いの他有名になったのは、そういう理由だろう。批判のために読むのなら良いが、読んで益のある本ではない。

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