« 2003年2月 | トップページ | 2003年4月 »

2003年3月

2003年3月31日 (月)

指輪物語2 旅の仲間(下)

著  者:J・R・R・トールキン (訳:瀬田貞二)
出版社:評論社
出版日:1972年11月25日初版 1984年8月30日第8刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 指輪物語6分冊のその2。映画The Lord of the Ringsの1作目の後半にあたる。
 指輪を捨てる旅のために9人が選ばれて旅立ち、主人公フロドとサムが他とは別にモルドールへ向かうまで。
 途中一行のリーダー的存在であったガンダルフは、地底の怪物バグログとの戦いで地の底へ落ちてしまう。このバグログは、敵の一味ではなく、地上の生き物とは違う世界に棲む太古の魔物である。トールキンの世界は、敵と味方、善と悪のような単純なものではなく、もっと複層的なものであるらしい。
 ロスロリエンの姫君であるガラドリエルは、映画では私には奇人じみて見えたが、原作では思慮深き導き手として描かれている。この世界では非常に重要な人物のひとりであるらしい。映画を見てあの描き方に憤慨している人がいるのもわかる。

 にほんブログ村「ファンタジー」ブログコミュニティへ
 (ファンタジー小説についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「指輪物語2 旅の仲間(下)」 固定URL | 1.ファンタジー, 11.トールキン | コメント (0) | トラックバック (0)

2003年3月19日 (水)

ローマ人の物語11 終わりの始まり

著  者:塩野七生
出版社:新潮社
出版日:2002年12月10日
評  価:☆☆☆☆(説明)

 古代ローマの歴史1000年をつづる連作の第11作目。
 15巻で完結の予定であるし、前753年から1000年の歴史ということは、395年のローマ帝国分裂か、476年の西ローマ帝国の滅亡まで、ということだろうから、161年就位のマルクス・アウレリウス帝から211年退位のセヴェルス帝までのこの巻は、もう終盤である。
 マルクス・アウレリウス帝は、五賢帝と呼ばれるローマの最盛期を飾る皇帝たちの最後の人である。だから、タイトルが「終わりの始まり」。実に簡にして要を得たタイトルである。
 この時代から、ローマ帝国は軍事帝国化し、坂道を転がり落ちるように、崩壊への道を進むことになる。言うまでもなくローマ帝国は、ずっと以前から強大な軍事力を持ち、周辺の民族との戦争を経てその版図を広げてきた。その意味では、ずっと以前から軍事大国ではあった。しかし、リーダー達のキャリアとして、ミリタリーとシビリアンの経験がクロスするシステムによって、高度にコントロールされた軍事大国だった。それが、内乱を制したセヴェルス帝の軍事優遇策によって微妙なバランスが崩れてしまう。
 著者の情報収集力やその分析、それによる独創的な歴史観は、感想を述べる必要もないくらい素晴らしい。
 ローマ帝国の発展の素は、征服した敗者をも赦し同化するする「寛容」さにある。その滅亡の始まりは軍事帝国化による、とする著者の意見は現代にも通じると思う。「歴史は繰り返す」と言いながら、歴史に学ぶことができない人類。
 まもなく、アメリカ軍によるイラク攻撃が始まる。

 にほんブログ村:塩野七生「ローマ人の物語」ブログコミュニティへ
 (塩野七生さんについてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「ローマ人の物語11 終わりの始まり」 固定URL | 5.ノンフィクション, 51.塩野七生 | コメント (0) | トラックバック (0)

2003年3月 9日 (日)

指輪物語1 旅の仲間(上)

著  者:J・R・R・トールキン (訳:瀬田貞二)
出版社:評論社
出版日:1973年2月10日初版 1988年3月30日第8刷
評  価:☆☆☆(説明)

 映画化(The Lord of the Rings)によって、脚光を浴びることになったファンタジーの古典。全てのファンタジー小説に影響を与え、多くのロールプレイングゲームのベースになったと言われる。この分冊は、3部作の第1部の前半。
 映画を先に見てしまった身としては、終盤になるまで敵と遭遇しない展開の遅さが気にはなった。しかし逆に、細かいエピソードのあれもこれも映画にはないのだということが分かった。映画化前からのファンの不満な気持ちを少し共有できた。あのエピソードがあってこそのあの場面というものもあるのだ。
 30年も前に翻訳・出版されたものだからか、訳者瀬田貞二氏の独特の語彙なのか、フロドが使った偽名は「山の下氏」。少しおかしな感じがした。また、アラゴルンの名前は「馳夫(はせお)」。洋書で確かめると、これは英語のStrider(大またで歩く者、転じて放浪者か)の訳。う~ん、名訳であるかも。実際、原作のファンからは熱烈な支持を得ているようだ。
 さらに、あとがきによると、トールキンの世界観は実に壮大なスケールで広がっていて、この3部作6冊でも、第1紀~第3紀まである内の最後の第3紀のそのまた最後の数年なのだそうだ。こうしたことも映画を見ただけの人には分からないのだから、身勝手な優越感はさらに高まるというものだ。

 映画The Lord of the Ringsをもっと深く理解したい人、そうでなくても、色々と他人より知りたがり屋の人は読むと良いです。ただし、先は長いよ。

 にほんブログ村「ファンタジー」ブログコミュニティへ
 (ファンタジー小説についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「指輪物語1 旅の仲間(上)」 固定URL | 1.ファンタジー, 11.トールキン | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2003年2月 | トップページ | 2003年4月 »